スーパー超高感度カラーテレビカメラ・イベント&リポート

顕微鏡撮影用スーパー超高感度カメラNC-R550bを用いたランスジェニックGFPマウスの受精現象の観察

(株)ドキュメンタリーチャンネル 自然科学映像部 藤原 英史
お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科 広橋 教貴

顕微鏡撮影用スーパー超高感度カラーテレビカメラNC-R550bのカラー高感度性能を活かし、オワンクラゲ由来のGFPの遺伝子をマウスに導入したトランスジェニック(遺伝子改変)マウスを用いて、受精現象の蛍光顕微鏡観察を試みることになった。
今回、用いたのはICRという系列のマウスで、精子頭部にある三日月状の小胞(先体胞)の中にGFPが蓄積しており、B励起により緑色蛍光を発している。一般的な定説として、精子が卵の保護層の表面に接着したときに、精子の先体胞がやぶれ、内容物が分泌される「先体反応」が起こり、その結果、精子が卵と膜融合できるようになり、受精に至ると考えられている。その先体反応が起こる様子をリアルタイムで蛍光顕微鏡観察するというのが最終目標である。

青から緑の光をカットする赤フィルターを通したハロゲン光による透過光観察をベースに、B励起による緑色の蛍光をミックスして、一台のNC-R550bカメラで同時に撮影している。A社製のカラー高感度カメラでは、観察しづらかった緑色の蛍光を、NC-R550bでは、はっきりと観察することができる。つまり先体反応前の緑色に光っている精子と、先体反応後の光っていない精子を、明確に見分けることが可能である。
このような撮影は、我々が知る限り、現在、顕微鏡メーカーおよび周辺機器メーカーから販売されているカメラでは不可能である。なぜならば多くの蛍光撮影用のカメラは、高解像度の静止画像を撮影するために設計されたカメラであり、滑らかな動きの動画の撮影には、向いていない。また多くの高感度カメラは、単板のモノクロ仕様であり、フィルターと組み合わせて一色ずつ撮影したのち、後から合成して映像を作り出すためのカメラのため、刻一刻と変化する動きの速い生命現象には、対応できない。その点、3板式のEM-CCD方式を採用しているNC-R550bは、超高感度の性能が要求される蛍光動画撮影用のカラーカメラとして十分な性能を持っていることが確認された。

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近年、GFPなどの蛍光タンパク質を用いた研究手法が確立し、ライブイメージングを取り入れた研究が、世界中で盛んに行われている。今後、NC-R550bのようなカラー高感度動画カメラの導入が進むことによって生命科学の研究手法に革命が起こり、新たな事実の発見につながることを予感している。