NC-R550aの特長
- 電子増倍機能をもつEM-CCDを搭載
- 3CCDによる高い色再現性と高精細化を実現
- ペルチェ型電子冷却素子によるノイズ低減
- 天体からのHα線をとらえるフィルターを内蔵
- 天体望遠鏡アダプタ
- 市街地撮影で有効な光害カットフィルター
- 高い操作性・運用性を実現
- 撮影天体にあわせた詳細なマニュアル設定が可能
- 高性能デジタルノイズリダクション回路を搭載
- 多彩なオプション設定
- リアルタイムの表現力
- 動画がとらえる新しい天体のイメージ
- 多彩な映像調整を可能にしたペインティング機能
- 自然環境下で運用可能なフィールドスーツシステム
電子増倍機能をもつEM-CCDを搭載
新しく開発された天体観測用超高感度カラーテレビカメラNC-R550aの内部には、1/2インチ型EM‐CCD(Electron Multiplying CCD)が搭載されています。このEM-CCDでは、CCDで検出した電子を垂直転送、水平転送した後で、アンプに入る前に電子増倍レジスタと呼ばれる回路を多段通過します。このときインパクト・イオン化現象により生成した二次電子を使って感度を上げています。EM-CCDは、CCDチップに電子増倍機能を搭載することで、読み出しノイズを増やすことなく信号を数千倍まで増幅することができる低ノイズ・高S/Nを実現した画期的な撮像素子です。
3CCDによる高い色再現性と高精細化を実現
NC-R550aには、EM-CCDを3枚使用しています。レンズから入射した光はプリズムによって青(B) 赤(R) 緑(G)の3原色に分離され各々のCCDに像を結びます。単板ベイヤー配列型CCDに比較してほぼ全光量を使用するため感度が高く、また映像の精細度を決定する緑の画素でみると、2倍の画素が使用され高い解像度を得ることができます。
ペルチェ型電子冷却素子によるノイズ低減
各々のCCDの表面は、ペルチェ型電子冷却素子により−20℃まで冷却され超高感度撮影時に発生するノイズの低減を行っています。ノーマル機種での冷却温度は−15℃。このわずか5℃の冷却温度差が、天体撮影におけるノイズ低減に劇的な効果を発揮するのです。
天体からのHα線をとらえるフィルターを内蔵
NC‐R550aは、天体撮影に必要なHα線(波長656.3nmの光)を透過させ、なおかつ紫外線や赤外線をカットする天体撮影専用の特殊な干渉フィルターを内蔵。a(astronomy=天文学)を冠したモデルとして、HAP(Hαpass)モードというフィルターモードを搭載しています。これにより、HU領域(電離水素ガスがHα線によって自ら光っている所)の散光星雲が放つ赤い光をはっきりととらえることができます。天体からの光の中で、電離水素ガスが発する光(Hα線)は非常に重要です。生まれたての星や死に絶えた星の残骸がこの光を発しているのです。
天体望遠鏡アダプタ
NC‐R550aは、天体望遠鏡に接続して天体を撮影することが可能です。望遠鏡に接続する際には、望遠鏡の焦点距離を圧縮するレンズ(レデユーサー)と、接続アダプタが必要になります。天体望遠鏡の取り付け□は、メーカーや機種ごとに異なるため、五藤光学が特注で設計を承りますのでご相談ください。
市街地撮影で有効な光害カットフィルター
科学館や公開天文台で導入いただいた場合には、NC‐R550aを市街地で使用することも多いことでしょう。そのようなシチュエーションでの撮影に際し、市街地の明り(光害)をカットするフィルターの効果についても実験済みです。このフィルターは人工的な光(主として水銀輝線)だけをカットして、天体からの光を透過させる干渉フィルター。広角側での使用はできませんが、市街地撮影では大きな効果が期待できます。
高い操作性・運用性を実現
今日まで開発された超高感度カメラは、いずれも撮像素子に撮像管を使用しているタイプのため、スイッチを入れてから撮影を開始できるようになるまで時間がかかり、さらに強い光が入射すると撮像素子にダメージを与えるなど運用面での大きな問題がありました。EM-CCDを搭載したNC-R550aは、電源投入後わずか数秒でデバイスが−20℃まで冷却され、すぐに撮影を開始できます。またEM-CCDは基本的に焼付けが起こらないため、NC-R550aは取り扱いが非常に楽な超高感度カメラです。
撮影天体にあわせた詳細なマニュアル設定が可能
NC-R550aのコントロールは、カメラ後部にある5つのボタンで行ないます。メ二ュからゲイン(電気回路で行う信号増幅)、蓄積数(露光フレーム数)、フィルターを設定すれば、ほとんどの撮影はこれでOKです。慣れてくれば撮影天体ごとに最適な設定を追い込むことも可能です。五藤光学とNECが、NC-R550aによる試験観測をした画像と撮影データを公開していますので、これらのデータが撮影時の参考となるでしょう。
高性能デジタルノイズリダクション回路を搭載
新開発のデジタルノイズリダクション回路を搭載することで、星雲や星団などをゲインアップして撮影した場合でも、残像を軽減させノイズの少ない鮮明な映像を撮影することができます。
多彩なオプション設定
このカメラの標獲レンズとして以下の3機種の中から1台を、お勧めしています。
・20倍ズームF1.4
・13倍広角型ズームF1.5
・13倍広角型ズーム2倍エクステンダー内蔵
またシステム構成部品は、カメラ本体と電源を除いてすべてオプション設定されており、お客様の観測目的やご予算に応じて構成できるよう考えられています。
リアルタイムの表現力
右の画像は、NC‐R550aで捉えた「すばる」をズームバックしたショットです。今までこのような画像を得るためには、フィルムやデジタルカメラで数十秒から数分の露出が必要です。天体のディテールを画像化するには、1カットに長時間の露出をしなければならなかったのです。NC‐R550aはその常識をくつがえしました。まるで天体写真を見ているような感覚でビデオイメージが収録できるのです。パン、ティルト、ズームイン、ズームバックといった動画の効果は、ビデオによる天体の記録という新しい表現を可能にしました。
動画がとらえる新しい天体のイメージ
なぜ天体を動画でとらえるのでしょうか?それは一言でいえば臨場感ということにつきます。例えば新しい彗星が地球に接近したとします。動画ならズームやティルトによって、その彗星が夜空のどのあたりにあるかが一目で理解でき、拡大して彗星のディテールをつぶさに映し出したり、観測している場所やスタッフの様子なども同時に記録できるのです。また高感度カメラ特有のちらつきが、いっそう臨場感を高めてくれます。NC‐R550aは、公開天文台、プラネタリウム、科学館、博物館の皆様を新たな天体撮影のステージへ誘います。
多彩な映像調整を可能にしたペインティング機能を搭載
より自然に近い状態で撮影、あるいは撮影したい部分をより強調させたい場合、ペインティング機能(ペデスタルレベル、ゲインレベル、ガンマ補正カーブ、彩度のそれぞれを調整する機能)を使うことで簡単に映像調整することができます。さらに、この機能はリモート制御することができるので、自然観測や天体観測などカメラが遠隔地に設置されている場合でも利用することが可能。例えば、星明りの夜空に浮かぶオーロラを撮影する際は、オーロラ特有の七色の光の輝きを忠実に撮影したい場合、ペインティング機能を使って夜空の暗い部分、オーロラの明るい部分、さらに光の輝きと七色の微妙な発色部分を遠隔調整することで、より自然に近いオーロラの映像を撮影することができるのです。
自然環境下での運用を可能にするフィールドスーツシステム
ホタルや夜光虫などの発光生物。オーロラや天の川など夜空の微光。照明不可能な緊急報道撮影…。新発売のフィールドスーツシステムは、フィールドにおけるNC-R550aの運用を大幅に向上させます。フィールドスーツの装着により、モニターやガンマイクの搭載が可能。また、ENG用リチウムイオンバッテリーでの運用が可能になります。ハンドリング性の向上は、NC-R550aをENGシステムに加えることを容易にし、報道、ドキュメンタリー、科学番組等のロケにおいて未体験の映像撮影を実現します。




